推しを変えた話

これはとあるオタクが推しを変えて生まれ変わった(かもしれない)お話である。

どうも。しがない万年金欠オタクです。

アイドルのオタクやってます。今のところとある事務所のグループ7個くらい掛け持ちしてます。忙しい時は3週連続で現場に行くなんてことは毎年あります。楽しいです。

まあそれくらい掛け持ちしてると楽しいことばかりではなく、なかなか辛いこともありまして。あるグループの推しが病気の療養でしばらくお休みしたりとか、またあるグループの推しが脱退したとか、まあ今のご時世というのもあって前者はそこそこあります。でも戻ってくるのがわかってるのならまだダメージは少ないです。重症化しないことをただ祈るのみ。オタクにできることは何もないです(悟りの域)。

そんな中、あたしはとあるグループの推しが推せなくなる事態になってしまいました。

明るい話ではないのでどこの誰かは伏せますが、まあたぶんわかる人にはわかるんじゃないかなと思います。

 

それまではあたしの中ではかなりの熱量で応援してきたと思います。古参と言えるほど長くはないけど、新規と言えるほど短くもない、中堅の立ち位置が一番近いでしょうか。

応援しているグループの事務所は、主にデビュー組とデビュー組のバックダンサーを務めるJr.と呼ばれる人達で分かれています。と言うともうほとんどの人はどこの事務所か察していると思いますが、このまま話を続けます。

今回の話の推しは、私が好きになった時はJr.でした。とはいえ、その時既にJr.でグループを組んでいてかなり人気があるグループになっていたので、デビュー組のバックを務めることはほとんどなく、単独でコンサートをしてしまうようなグループでした。(グループを組んでいてもデビュー組のバックにつくことはよくありますが、この推しはいろんな意味で特別な方)

Jr.という存在はデビュー組に比べてかなりフットワークが軽いです。CDやDVDを出したりテレビに出たりという仕事がデビュー組に比べてないというのも大きいと思いますが(テレビ出演の量は今ではデビュー組とそんなに変わらないですが)、デビュー組のバックについたり、単独コンサートを年に2回以上するグループもあるし、個人では年に2、3回舞台に出る人もいます。(デビュー組はだいたいツアーも舞台も年に一回のグループが多いので(稀に年に3、4回以上舞台やってる人もいる))

あたしはこれまでデビュー組を主に応援してきたので、Jr.を応援した途端個人の仕事の多さに驚きました。そして、推しがステージに立っているとなれば会いに行きたいと思うのがオタクの性(さが)。しかもその大半の会場は関東。地方民オタクにはなかなか辛いものがある。

とはいえ、この推しに関して言えばあたしはそこまで忙しくはなかったです。

ある年の年末にJr.のファンクラブに入って、年明けにグループの単独アリーナコンサートの発表、当たって関東に遠征。その夏にデビュー決定。その後グループ主演の舞台があって、これも当たって関東に遠征。その年の瀬に全国ホールツアーがあって、これも当たって隣県に遠征、地元にも来たから行った。

 

いや、忙しいわ。

 

一年でコンサート二つ(アリーナ4公演、ホール2公演行った)と舞台一つってけっこう忙しかったわ。(これに加えてデビュー組のツアーも行ってたし)

あたしは割とタイミングがよかったんだと思います。推し始めて一年たたずにデビューなんて、かなりラッキーな方です。もともと人気だったこともありますけど、今事務所にいるJr.は飽和状態で、グループを組んでいてもいつデビューできるかわからない人達なんてごまんといるわけですから。

あとあたしはかなり運が良かった。このグループは、デビュー直前にして1000〜2000人規模の舞台やホールツアーの倍率が高過ぎて行けない人がかなりいましたから、あたしはそれらが全て自名義で当たってかなりラッキーな方でした。

この年はよかった。現場があって、あたしはかなりの頻度で会いに行けて、デビューに向けてかなりモチベーションは高かったです。

でもその次の年は一回も会うことができなかったんです。

それが去年の話です。デビューツアーが1月から3月末にかけてある予定で、推しは2月で中止になりました。私は4公演入る予定でそれが全て3月だったので、見事に1公演も行けなかったわけです。

本当は自名義でツアーのオーラスが当たってたんです。一昨年の自分当たりすぎて怖い。

でもその運も去年で尽きました。

一昨年会いまくってただけに、行き場のない感情がずっと燻っていました。

夏頃に振替公演が予定されていて、その当落もあって当たったのに、それも中止になりました。追い討ちをかけられた気分でした。

推しが出ているテレビや雑誌が全く見れなくなりました。一昨年はデビューに向けて応援するという意味でも雑誌を買いまくっていたり、テレビに出ていれば録画して見たりと、現場に行く合間も推し事に勤しんでいたわけですが、去年はほぼほぼしませんでした。

せっかくCDデビューを果たしたのに、そのCDもほとんど聴けませんでした。途中かなり自分好みの曲が発表されて、それだけは聴いていました。

どうしようもなくて、他のデビュー組の推しに逃げました。他のグループも全てツアーがなくなったり舞台はチケットが発送される前に中止になったりと誰一人会うことはできなかったのですが、ここよりは仕方ないと思っていたので、まだ気が楽でした(そもそもデビュー組は基本年に一回しかツアーで会えないので)。

そして現場に行きまくっていた頃は盲目になっていて見えなかったものが少しずつ見え始めました。

 

この人(推し)、あまり好きじゃないな。

 

何言ってんだこいつって感じですよね。

そもそも今回の推しを好きになったきっかけが、彼の兄弟でした。先のデビュー組にいて、今は脱退しましたが元推しでした(普通に誰かバレそう)。元推しがいたから推そうという安直な考えで推し始めました。

もともと顔はそんなに好みではなかったんです。公式写真を買うときは顔が好みの他のメンバーをよく買っていて、推しは申し訳程度に少しだけ買うような状態でした。盲目期からこれです。

あたしは推しと好みの顔が割と違う傾向にあるので(おかげさまで写真は一枚ずつ買ってもかなりの量に)、この時はそんなに悪いこととは思っていませんでした。

あと、推しを見ていると、だんだん嫌悪感が出てくるようになりました。ツアー中止組へ何の声もかけなかったことへの怒りなのか(まあこれはメンバー全員ですけど)、単純に推しへの怨恨なのか。

内面的な話をすると人のことは言えねえなと思うので端折りますが、端的に言うと自分と合わないなってのは薄々勘付いていました。というか、Jr.の頃は猫を被っていたけど、だんだん見えてくる本性がなんか嫌だなと思ってしまったのです。

日に日にモチベーションは下がる一方でした。今年のツアーをやるよと去年末に発表があっても気分は上がりませんでした。その頃はグループの曲もなんだか合わないなと感じるようになってきていて(デビュー前のグループのオリジナル曲は本当に全部好きだったので余計に)、正直行きたくないなと思っていました。

一緒に行く人がいたので申し込みましたが、当たってもさほど嬉しくなかったです。

この頃にはもう次のツアーに行ったら降りようと思っていました。

そして、一昨年集めに集めまくった推しのグッズを売りまくりました。顔が好きなメンバーのグッズは残しましたが、推しを含めてメンバーのうちわやらアクスタやらツアーグッズやら、本当にほとんど手放しました。(売上金は今年のツアーのチケ代にほとんど消えました)

一昨年は本当にコレクターの勢いで買ってたのに。推し以外にもメンバー全員分のうちわとかクリアファイルとか買ってたのに、8割は売りました。

正直すっきりしました。

 

その後あたしが行く公演の日になり、一応推しのうちわとペンライトは買ったものの、約一年半ぶりに会えるというのに本当に推しを見れる自信がなくて、とりあえずペンライトは推しのメンカラにしておいて、今日はお顔が好きなメンバーを追いかけようと決めて会場に入りました。

 

 

そしたらめちゃくちゃ楽になった。

 

 

まさかの。

実はその人、お顔が好きなだけではなく中身も好きで、推しがいなかったら確実に最初から推してたという溺愛っぷりだったんですけど、推しがいたので二の次になっていたという現実がありました。

推しを無理して見なくていいんだと思ったら本当に楽で。好きな顔だけを(双眼鏡で)見ていればいいと思ったら、めちゃくちゃ楽しかったです。

はい、見事に降りました。

新しい推しはお顔が可愛い。歌もうまい。ダンスも好み。ていうか、一昨年も実は単独主演の舞台を見に行っていた。あれ、なんであたしこの人を今まで推してなかったのかなと疑問すら生まれる。

ちなみに売りまくってたグッズを唯一残していたのが彼です。

なんだ、こんなに好きな人が近くにいたんだ、とまるで漫画のような展開。

端から見ればいい気はしないと思います。推しを推せず他の人に降りるなんて!って思う人はけっこういると思います。あたしもそう思う側です。それもあって、降りれずにいたところもあります。

いっそグループを応援することをやめたいと思ってたんですが、なかなか踏み切れず。デビュー前と音楽性は変わったと思っても、まだ好きなところもあるし、全員が全員嫌いになったわけでもないので(新しい推しは今も昔も全く嫌悪感がない)、どうしようもなく宙ぶらりんの状態でした。

一応一緒にコンサートに行った親しい友人には降りましたという報告はしました。その人はごく普通に受け入れてくれましたが、降りました!とSNSで高々と宣言はできないので、自分のプロフィールの推しの名前はしれっと変えました。

 

まあでも、本当に楽になりました。悩んでいたのがバカバカしいくらいすっきりしています。

推し事は苦しみながらするものではないです。仕事じゃないし、ただの趣味です。

あと、グッズを売った時に今の推しのグッズを売らなくてよかったと心底思っています。今の推しはグループ内でもけっこう人気で、フリマでは高値で取引されることが多いので集め直せないのです。勢いで手放さなくて本当に良かったー危なかったー。

グループにおいては好きになった当初の音楽性の方向と違ってきているので、これからも推すかはまだ疑問が残るのですが(本当にそれくらい本気で降りるつもりでした)、来年以降のツアーがどれほど好きになれるかによると思います。もちろん推しがいるので、今のところ行くつもりではいますが。

ファンクラブにも入っていますが、その存続の意義は推しの舞台を見に行くことにあると思っています。はい、今の推しは舞台俳優としても活躍しているのです。前述の通り一昨年も主演の舞台に行きましたが(ファンクラブ枠が取れなくて見切れ席でしたけど)、本当に素晴らしかったので、彼の舞台を見に行くためにファンクラブを更新します。当たらなくなったらやめるかもしれん(人気なので)。

 

あまり大きな声では言えませんが、今の推しを推せなくなったな、でもグループのファンはやめたくないなと思っている人は、一度他の人を推すことを考えてみるといいと思います。

人から見ればいい気分にはならないかもしれませんが、誰かのために推し事をしているわけでもないし、自分が好きだから推しているんであって、嫌々することではないです。

 

以上、独り言でした。